今回ご紹介する施工事例は、テスラ・モデル3のレッド、新車のコーティングです。
テスラ・モデル3 完成画像
完成時の激艶の状態からご覧いただきましたが、新車の状態は塗装品質が悪く、ところどころ細かい傷が入っていました。
たとえ新車でも、傷がついてしまっていることはよくあります。
その場合は、やはり磨きをかけてからコーティングしたほうが綺麗になりますので、お客様にご提案し、研磨を含めて作業させていただくことになりました。
コーティングの作業の流れについて詳しくご紹介しますので、コーティング前後でどれだけ変わるのか、どれくらいの輝きになるのか、参考にしていただければと思います。
車種・施工内容・施工期間
- 車種:テスラ・モデル3
- 状態:新車
- 下地処理:ライトポリッシュ
- コート剤:セラミック
- オプション:ホイール・ガラス
- 施工日数:5日間
コーティング前の傷の状態
こちらは、コーティングをかける前のテスラ・モデル3です。照明が当たっているところをご覧いただくと、表面に傷があるのがお分かりいただけるかと思います。
高圧洗浄で洗車
コーティングをかける前には、必ず洗車をおこないます。新車だったとしても、少しでも外を走れば砂ぼこりや汚れがつきますから、高圧洗浄機を使って、表面も隙間もしっかり洗っていくんです。
この洗車で使っているのは普通の水道水ではなく、純水です。水道水にはカルキなどが含まれていますから、そのまま水分が蒸発すると水ジミになってしまいます…。
純水なら水ジミになる心配はありませんし、磨きのレベルも変わってきますので、当社では始めから専用の水を使っているんです。
表面についた水ジミを除去
高圧洗浄機でホコリや汚れが取れたら、次は水ジミの除去に入っていきます。
新車でも、水道水で洗車されていたり、外に置きっぱなしで雨に降られていたりすると水ジミがついてしまいますので、水ジミ除去剤を使って落としていきますよ。
画像で、ボンネットの手前が少し白くなっているのがお分かりいただけるでしょうか?
これは、溶剤をつけたことによって、水ジミが浮いてきている証拠です。この浮いた汚れを拭き取って綺麗にしていくんです。
水ジミをあらかじめ除去しておけば、研磨作業も効率的にできますので、ここは欠かせない工程ですね。
新車にも脱脂は必要。すっぴん肌へ
次は、油分の汚れを落とす脱脂作業をおこないます。
「新車に油分がついているの?」と驚かれるかもしれませんが、撥水剤やワックスがかかっていることがありますので、必ず脱脂をしていきます。
水ジミ除去と脱脂は、車のすべてのパネルにやっていきます。表面に余計なものがついていない、すっぴん状態にすることによって、コート剤も密着性も高まりますし、磨きも必要最小限で済むので、車の価値を下げないようにできるんですね。
お客様にとって大事なお車ですから、作業者として、将来的なことも考えて作業をおこなっています。
高クオリティの研磨が車の輝きを決める
ここから、磨きの作業に入ります。
いきなりどんどん削っていくのではなく、まずは「どのような磨きで傷が取れていくのか?」を試しながら進めていきます。
具体的には、ポリッシャーにつけるバフやコンパウンド(研磨剤)を目の細かいものにします。というのも、目が粗いものから試してしまうと、削り過ぎたと思っても、もう元に戻せないからです。
はじめに「これくらいで取れるんじゃないかな」と検討はつけますが、あえてそこから一段階下の目の細かさを選んでやっていますね。「違う」と思ったら、バフとコンパウンドを変えて、傷を取るために最適なものを選んでいきます。
研磨で大事なのは、いかに表面のクリア層を薄くしすぎないようにして傷を落とすか、ということです。
磨くのが少ないに越したことはありませんが、少なくても傷が残ってしまうので、良いバランスを見極めていく。ここまで考えて作業するのがプロの仕事だと、私たちは考えています。
磨くときは、疑似太陽光としてスポットランプを当てています。お車に太陽が当たると、傷がよく見えてきますよね。同じように、作業する部屋の中に疑似太陽をたくさん用意して、どこから見ても太陽が当たっている状態を作り出しているんです。
さらに、作業するときは、おでこにヘッドランプをつけています。作業者目線からも光が当たるようにして、傷を見落とさないようにしているんですね。ここまで意識すると、いざお車を外に出したとき、ちゃんと綺麗に見えるんですよ。
研磨は、一回だけではツヤ感はそこまで出てきません。粗い目のバフやコンパウンドを使わないと傷が取れなかった場合は、次に細かい目のバフやコンパウンドなどを使って磨く必要があります。目の大きさを変えて研磨していくことによって、すごくいいツヤが出てきてくれるんです。
研磨するとどれくらい変わるのか?前後を比較
磨きをかけたことでどれくらい違うのか、傷がある状態とない状態を比べてみましょう。
こちらが、傷がある状態です。白っぽい線のようなものが見えるかと思います。
こちらが、研磨した状態です。線状の傷がなくなっているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。磨きをかけると、ここまで見た目が変わってくるんです!
こだわりのコーティング!詳細を公開
研磨が終わったら、いよいよコート剤を塗っていきます。
今回のテスラ・モデル3はセラミックコーティングになります。セラミックコーティングの場合は、2層+トップコートの1層、合計3層の膜を作ります。
セラミックコーティングは、1パネル全体を一気に塗るのではなく、1ヶ所ずつ丁寧に塗って拭き取る作業を繰り返していきますよ。
湿度・温度・時間管理が重要!
他のコーティングと違って、このセラミックコーティングは湿度や温度を考えて作業をしなくてはなりません。温度によってコーティングの伸びも違いますし、乾かす時間も変わってくるので、塗り方もお車の状態によって考えながら、作業を進めていきます。
前述のとおり、セラミックコーティングは層が分かれています。1層目が終わったら、だいたい30分くらい置いてから、2層目に入ります。
こちらも温度管理をして、時間もタイマーで計りながら作業しています。そうしないと、しっかりとコート剤が密着してくれません。後になって不具合の原因になってはいけませんから、時間管理も大切なポイントです。
マイクロファイバーへのこだわり
コート剤を拭くときは、マイクロファイバークロスを使います。ゆっくりと中に塗り込んであげるイメージですね。
マイクロファイバークロスは、お車を1台仕上げるのに10枚くらいは使います。しっかり拭えなくなってきたなと思ったら、どんどん交換するようにしています。そうしないと溶剤がしっかり定着せず、ムラの原因になってしまうからです。
マイクロファイバークロスも安くはありませんが、セラミックコーティングは値段も高いコーティングになりますので、品質のためにも材料は惜しみません。
クロスは無駄にしないよう、裏表を使って余分なコート剤を拭き取っていきます。
時間管理はきっちりおこないます。何分にコーティングを始めて何分に終わったのか、タイマーで計りながらすべてホワイトボードに記入して忘れないようにしています。
ウィンカーランプの部分にもコーティングをかけていきます。ウィンカーランプは素地になりまして、ここにセラミックコーティングがかかるとマットに艶が出て、すごく綺麗に見えるんです。
暗いところでも手元やコート剤の状態がよく見えるよう、スポットランプやヘッドランプで照らしながら作業を進めていきます。
明るい照明があると、ムラや余分なコート剤を取りきれてないところにすぐ気づきますし、マイクロファイバークロスを交換するタイミングもわかりやすいですね。
セラミックコーティングのように層を重ねる場合は、それぞれの層の厚さが同じになるように、ということを1層目から心がけています。
最後のトップコートも慎重に
トップコートは、セラミックコーティングの3層目に当たります。
2層目が終わってすぐにかけるわけではなく、いったん時間を置いて、下の層を乾かしてから塗ります。トップコートを綺麗に乗せるためには、8時間以上は置いて、しっかりと乾かしてあげないといけません。こちらも湿度や温度が関わってきますので、状態を管理することが必要です。
トップコートは、他の2層を乾き方がちょっと違いますので、自分の感覚を研ぎ澄ませて、「これだったらここまで塗れるな」とか「ここまでやったほうが綺麗になるな」といったことを、1パネル1パネル考えてやらせていただいております。
トップコートにもマイクロファイバークロスを使いますが、前日に使ったセラミックコート2層のクロスを再使用できるわけではありませんので、新しいものを使っていますよ。
技術力アップのために大切にしていること
フェンダーパネルに関しては、トップコートはいっぺんに全面塗ったほうが綺麗にいくという判断をしたので、そのように作業しました。コート剤だけでなく塗装もそうですが、途中で止めるよりも、全部いけほうが間違いなく綺麗になるんですよね。
パッと見て分かるものではありませんが、途中で止めながらコーティングを拭くよりも、全体で塗ることができればそのほうが区切りがないですから、より綺麗になっていくと考えています。
「こうしたらもっと綺麗になるんじゃないか」と毎回考えながら施工していくと、だんだんと違ったものが見えてきて、技術力も上がっていきますね。
日々何を思い、何を考えて施工しているのかということ。
お客様の顔を思い浮かべているのか、コーティングが完成したところを思い浮かべているのか。
こういったことを意識すると、ただがむしゃらにやるよりも、やはり技術の伸びは変わってくるなと実感しています。
コーティング完成!技術力で蘇るレッド
こちらが、コーティングが完成したところになります。かなりのツヤ感を出すことができました!
コーティング前に比べて、見違えるように綺麗になっています。
コーティングをかける前は傷が多かったので、赤い塗装がピンクがかって見えていました。それを、傷を取ってコーティングをかけたことによって、鮮やかな赤が蘇ってくれました。
お客様にも大変お喜びいただけたので、頑張って良かったなと思います。
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